カブトムシ・クワガタの飼い方

遊び

カブトムシやクワガタの飼い方について解説します。基本的な飼育方法だけでなく、夏場に悩まされがちな臭いやコバエなどの対策も紹介していきます。
また、カブトムシに関しては、産卵~さなぎ/成虫までの育て方も解説します。

カブトムシやクワガタムシを捕まえる方法については以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
カブトムシ・クワガタの捕まえ方
カブトムシやクワガタがよく集まるバナナトラップを作るために必要な材料や、作り方を紹介します。

成虫の飼い方

成虫については、カブトムシもクワガタも同じ飼い方で大丈夫です。飼育する目的によってその方法にも違いはありますが、ここでは、主に室内での観察(鑑賞)を目的とした標準的な飼育方法を説明します。

飼育ケース

種類

飼育するケースは、以下の条件さえ満たせば基本的には何でも良いです。

  • 湿った土(マット)を入れることができる
    • 土を入れることのできない虫かごや、水分に弱いダンボール等は不向きです
  • 空気穴、あるいは空気が入れ替わる程度の隙間がある

家庭で室内に置いて、観察等ができるようにするのであれば、水槽を使うのがベストです。水槽にも色々ありますが、比較的安くて軽く、蓋もついている透明プラケース(飼育ケース)が一番使いやすいです。

観察・鑑賞を目的としない場合や、幼虫を比較的多く飼育する場合は、安くて大きい衣装ケースを使うことも多いです。

サイズ

できれば1匹ずつ分けて飼育するのが理想です。とは言っても、普段の管理や観察のことを考えると、大きい水数に複数のカブトムシやクワガタを一緒に飼いたいですよね?

以下は、飼育ケースのサイズあたりに、最大飼育できるカブトムシの数の目安です。

ケースサイズ (幅 ✕ 奥行き)最大飼育可能数 (匹)
SS・ミニサイズ (約18 ✕ 12 cm)1
S・小サイズ (約 23 ✕ 15 cm)2
M・中サイズ (約 30 ✕ 20 cm)3
L・大サイズ (約 37 ✕ 22 cm)4
LL・特大サイズ (約 42 ✕ 25 cm)6

これは、あくまでも最大飼育できる数の目安です。
実際にこれだけの数を飼育するのはかなり過密した状態です。餌場を多めに用意したり、隠れ場所を多めにするなどの工夫をするようにしてください。

複数のカブトムシやクワガタムシを同時に飼育すると、餌場の取り合いなどでケンカをします、そのケンカで傷ついたり、最悪の場合は死んでしまうこともあるので、できるだけ一匹あたりのスペースを広くとるようにしてあげてください。

飼育マット(土)

カブトムシ・クワガタを長く飼育するには、適切で十分な量の土(飼育マット)が必要です。

カブトムシやクワガタを採集した場所の土が良いように思われるかもしれませんが、室内で飼育する場合は、市販されているカブトムシ・クワガタ専用のマットを使用することをおすすめします。

埋め込みマット

カブトムシを採集した場所の土には、おそらく小さな生物などが多く含まれています。こういった自然の土は、小さな虫の発生や嫌な匂いの原因となります。
また、土を持ち帰ってしまうことはその場所の自然を破壊してしまうことにもなっています。

園芸用に販売されている腐葉土は、こういった虫等の対策のために殺虫剤が含まれていることがあるようです。こういった土も使用できませんので注意してください。

飼育マットの選び方

カブトムシ・クワガタ飼育用のマットですが、大きく分けると単にオガ屑を細かくしたようなタイプ(埋め込みマット)と、オガなどを発酵させたタイプ(発酵マット)のものがあります。

カブトムシの幼虫は、自然界でそうしているように、腐葉土などの木や葉が発酵したものを餌としていますので、幼虫を育てるには発酵マットが必要となります。

ただし、この発酵マットはちょっと臭いが気になることがあるのと、カビが発生しやすいのが欠点です。
一方、埋め込みマットは臭いについてはオガ屑そのものですし、オガ屑がもつ消臭作用も働くので、発酵マットよりは嫌な臭いが発生しにくいです。また、特にヒノキや杉などの針葉樹を原料とするマット(市販の埋め込みマットは大抵そうです)は、コバエがたかったり、ダニの発生を抑える効果があります。

これらの理由から、室内で成虫を飼育する場合におすすめしたいのは、埋め込みマットです。

埋め込みマットを使っても臭いが気になるというような場合、活性炭を少しばらまいてやることでも多少の効果があります。活性炭自体はカブトムシやクワガタの害になるようなことはありません。

飼育マットの分量

マットの量は、カブトムシやクワガタが潜って休息できるのに十分な量が必要です。

最低でも5cm、できれば10cm以上あると良いです。あまりマットが少ないと、昼間にカブトムシやクワガタが土に潜った際に、せっかく産んだ卵を傷つけてしまったりする可能性が高まります。そもそも土が足りないと、産卵自体をしなくなってしまうこともあります。

飼育ケースのサイズによる大まかな目安は以下のとおりです。

ケースサイズ (幅 ✕ 奥行き)マット量 (リットル)
SS・ミニサイズ (約18 ✕ 12 cm)1
S・小サイズ (約 23 ✕ 15 cm)3
M・中サイズ (約 30 ✕ 20 cm)5
L・大サイズ (約 37 ✕ 22 cm)8
LL・特大サイズ (約 42 ✕ 25 cm)10

多くのマットは、5リットル単位で販売されています。上記の表を参考に必要量を用意しておくようにしてください。

エサ

エサについては、市販されている昆虫ゼリーが最適です。

昆虫ゼリー

カブトムシやクワガタ向けに必要な栄養バランスを考慮されて作られており、比較的安価で保存も効くので非常に使いやすいです。小分けになっているカップをそのまま置くだけなので、マットや木などを汚さないことも大きなメリットです。

昆虫ゼリーも様々なものがありますが、産卵させることを目指すのであれば、若干価格は高くなりますが(それでも毎日新鮮なフルーツを用意する手間とコストを考えれば十分安いと思いますが)栄養価の高いものにしておくと良いでしょう。

昆虫ゼリー以外では、バナナやりんごなどの、比較的水分が少ない果物がカブトムシやクワガタのエサとしては適しています。

スイカ・きゅうり・砂糖水なども喜んで食べるのですが、これらは水分が多すぎるため、栄養を十分に賄うことができないことになるため、常用しないようにしたほうが良いでしょう。

最近は昆虫ゼリーにも消臭タイプのものがあります。

昆虫ゼリー 消臭

最近この写真の「消臭アミノゼリー」を試していますが、正直消臭効果はあまり良くわかりません。
後に説明する防虫シートで臭いはほぼシャットアウトできてしまっているので。。
カブトムシやクワガタの食いつきは、いつも使っている同じメーカー(フジコン)のバイオゼリーPROと変わらないように思います。

のぼり木・止まり木

カブトムシやクワガタがひっくり返ったときに、元に戻るための足がかりにしたり、昆虫ゼリーなどのエサを置くために必要となります。

とまり木

特に、昆虫ゼリーはマットの上にそのままおいてもカブトムシがひっくり返したりするので、昆虫ゼリーを置けるタイプのとまり木があると便利です。

昆虫ゼリーを置く目的以外にも、転倒したカブトムシの足がかり(これがないとカブトムシやクワガタが起き上がることができず、死なせてしまうことがあります)も必要です。拾った小枝などを入れておけば問題ありませんが、この場合、日光に当てたり煮沸するなどして、カビや小虫等がわかないようにしてから使うことをおすすめします。

このような樹皮マットを置いておくのも、クワガタなどの隠れ場にもなるのでおすすめできます。

防虫シート

これは必ずしも必要では有りませんが、コバエ防止、保湿(乾燥防止)、臭い防止のために、防虫シートを使うと管理がグッと楽になります。

中でも以下の製品は他にいくつか使った中でも、穴が小さい(数は多い)のでコバエなどを完全にシャットアウトできる、保湿能力が高い、臭いをほぼ完全に抑えることができることや、破けにくいため、うまく使えば1枚で1シーズン持たせることもできるので、リピートしているシートです。

ただし、熱はこもりやすくなるので、水槽の置き場所にはより注意する必要があります。

設置方法・場所

これまで説明したものを用意したら、あとはさほど気をつける必要のあることはありません。

まず、飼育ケースにマット(土)を入れます。特に埋め込みマットの場合、マットは乾燥した状態で販売されていることが多いので、適度に水分を含ませます。

水の適量は、おそらくマットの袋に書いてありますが、基本的にはギュッと握ってかるく固まるくらいです。
水が多すぎるとマットが腐敗しやすくなりますし、マット中の空気が不足してしまいますので注意してください。飼育ケースの下のほうが水でビチャビチャになっているような状態は完全に水の入れすぎです。

マットを10cmほど入れたら、とまり木やえさ皿、小枝などをまんべんなく置くようにします。重要なのは、カブトムシやクワガタがひっくり返ったときに足が届く範囲に足がかりがあるようにすることです。

カブトムシ とまり木

とまり木、エサ皿、樹皮マットなどでカブトムシやクワガタの足場を用意してやります

飼育ケースは、直射日光の当たらない、比較的涼しいところに置いてください。カブトムシは暑さに強いイメージがあるかもしれませんが、夏の直射日光によって熱がこもった飼育ケース内の温度に耐えることはできません。

これで飼育ケースの準備は完了です。

カブトムシハウス

子供が勝手にハムスター用の家を入れましたが、カブトやクワガタがよくのぼっています

この写真は僕の飼育ケースの例です。ケースのサイズは56x30cmと、かなり大きめのものです。
昼間に写真をとったのでノコギリクワガタ1匹以外は隠れていますが、カブトムシ4匹とノコギリクワガタ2匹がいます。これくらいの虫口密度(?)であれば、カブトとクワガタを同時に入れても大丈夫そうですよ。
この環境でメスは問題なく産卵しています。

エサ

エサは食べるだけ与えてください。カブトムシやクワガタの場合、食べすぎで問題になることは有りません。

一般的な昆虫ゼリー1パック(16グラム)だと、大体カブトムシ1匹が2日くらいで食べきる量です。食べきっていなくても2日たったら傷んでくる可能性があるので交換するようにします。

マットの手入れ

基本的には、適度な水分を保っており、臭い等が気にならなければ交換する必要はありません。乾燥してきたら霧吹き等で少しずつ水分を補充してください。

ただし、カブトムシのオス・メスのペアを飼育している場合、メスが産卵している可能性があるので週に1回程度マットをすべて出して確認するようにしましょう。

卵は下の写真のような直径2~3ミリほどの白いものなので、マットを出して平らなところに広げればすぐに分かります。

カブトムシ 卵

産卵は、1回に1~2個ずつ、1~1.5ヶ月に渡りほぼ毎日行われるそうです。

先に説明した埋め込みマットは、孵化した幼虫の餌にはなりませんので、卵は孵化する前に幼虫を育てるための発酵マットに移してやる必要があります。幼虫を育てるための飼育環境はこの後の幼虫の育て方の章で説明します。

産卵してから孵化するまでは10日以上かかるようですので、週に1回卵を確認すれば、必ず孵化する前に発酵マットに移すことが可能というわけです。

カブトムシ 卵

集めた卵は幼虫の餌となる発酵マットに移します。
これは写真用に卵が見えるようにしていますが、実際は1-2センチ以上の深さに埋めてあげます。

このマット確認のとき、マットの臭い等が気になるようでしたら、マットの一部あるいは全部のこうかんをするようにすると良いと思います。

一旦交尾をして、産卵を始めたメスは、そのまま毎日産卵を続けます。
その場合、メスだけをこの後で説明する発酵マットを使った飼育ケースに移して産卵させることで、わざわざ卵を確認して幼虫用の飼育ケースに移す手間を省くことができます。

クワガタの冬越え

カブトムシは、基本的に1年で卵→幼虫→蛹→成虫となり、成虫は冬を越すことなくその生涯を終えます。

一方クワガタは冬を越して複数年生き続ける者も多いです。もちろん飼育下での越冬も可能ですが、飼育や繁殖な容易なカブトムシに比べると、すこし専門性が高くなります。

当記事では、カブトムシ・クワガタ飼育の初心者を主なターゲットとしていることもあり、ちょっと難易度が高い越冬や産卵、幼虫の飼育方法については割愛します。

僕としては、クワガタはシーズン終了前に、捕まえた場所で逃してあげることを推奨します。

幼虫の育て方

ここでは、カブトムシの幼虫の育て方について説明します。カブトムシの幼虫の飼育は比較的簡単で、子供の教材としても良いものだと思います。

飼育ケース

考え方も(最終的な)飼育数も成虫の場合と同じです。

注意したいのは、特に屋外で飼育する場合、小さいケースはマットの温度が低くなりすぎる恐れがあるので、できれば大きめのケースを使うことをおすすめします。

幼虫の観察やマットの状態が見やすいように、透明のケースにしておくと何かと便利です。

マット(土)

マットについても、先に説明したように、市販の専用マットを使うのが確実です。

ただし、先にも述べていますが、使用するのは発酵マットでなければいけません。幼虫は発酵マットしか食べることができないので、埋め込みマットでは餓死してしまいます。

発酵マットを使用する際は、注意しなければならないことが2点あります。1つはガス抜きが必要な場合があること、もう1点は再発酵の可能性があることです。

ガス抜きというのは、マットに含まれるアンモニア等のガスを抜くことです。発酵マットは、袋に詰められた状態でも内部でも発酵等に寄与するバクテリアなどが生きている状態です。そのため、ふくろの中で、発酵によるガスが発生している可能性があります。このガスは幼虫にとって有毒な場合もあるので、袋から出した後、数日から1週間空気に晒すことでこのガスを抜くと同時に発生も止める必要があります。
僕の場合、実際の経験がないのですが、購入したマットが牛糞やアンモニアのような臭いがしている場合は、このガス抜きが必要となり、ガスが抜けると通常のマットの臭い(カブトムシがいる林のような臭い?)に戻るそうです。

もう1つの再発酵というのは、マットの使用開始時、あるいは使用中に発酵を始めてしまうものです。この発酵は熱を伴うのと、二酸化炭素を発生するため、幼虫が死んでしまうこともあるようです。
この再発酵を防ぐには、まず使用開始時に水を加えた後、再発酵が始まらないか(マットが暖かくならないか)を確認することと、特に夏場には涼しいところに置いておくことが必要です。

このように、新しいマットを使用する際は、念の為に1週間以上前に開封し、必要であればガス抜きをし、その後加水をして数日は様子を見たほうが無難かと思います。

ちなみに、僕はおそらく5シーズン以上はこのマットを使っています。価格も安く、これまでにガス抜きが必要だったり再発酵をおこしたことはありません。

マットの必要量

もちろん、幼虫に必要なマットの量は成虫のときよりも多くなります。

以下に飼育ケースのサイズごとの飼育数とマット量を示します。

ケースサイズ (幅 ✕ 奥行き)幼虫飼育数(匹)マット量 (リットル)
SS・ミニサイズ (約18 ✕ 12 cm)12
S・小サイズ (約 23 ✕ 15 cm)24
M・中サイズ (約 30 ✕ 20 cm)310
L・大サイズ (約 37 ✕ 22 cm)418
LL・特大サイズ (約 42 ✕ 25 cm)625

上記はあくまでも目安です。基本的に飼育ケースの8割以上はマットを入れるようにしましょう。

上記の飼育数については、秋以降の比較的幼虫が大きくなってからの飼育数です。孵化してから夏の間の幼虫が小さい間はもっと多く飼育することも可能です。

マットの手入れ

幼虫の飼育は、基本的にマットの状態を保つこと以外にすることはあまりありません。

カブトムシ 幼虫

孵化して数日で、体長は1cm程度くらいになります。
このくらいではまだエサを食べる量も少ないので、マットの交換はずっと先になります。

マットの表面に幼虫のフン(黒い楕円形の塊)が目立ってきたらマットを交換するだけです。幼虫が大きくなってくると、フンのサイズも5mm以上の大きさになり、フルイで分だけを取り除くこともできます。その場合は取り除いたフンの分だけマットを追加してやるだけで済みます。

幼虫が育っていき、4月になると蛹になり始める時期です。この時期からはマット交換をしないようにして6~7月に蛹が羽化して成虫になるまでそっと見守るようにしましょう。

 

飼育数について

先に説明しましたか、成虫と同様、幼虫も小さいケースで多くの数を飼育することはよくありません。
※ 2リットルのペットボトルなどを使って1匹ずつ飼育する方法もあります。

孵化してから1~2ヶ月もすると、丸まった状態で10円玉くらいの大きさにまでなります。ここまで来ると通常は8割以上が無事に成虫になります。

この時期に成虫まで育てる数や幼虫を飼育しているケースのサイズを考えて、幼虫が多すぎる場合は大事に育ててくれそうな人に里子にだしたり、成虫を捕まえた場所近辺の腐葉土の堆積した場所に逃がしてやるようにしましょう。

保管場所について

幼虫は冬の間、あまり温度が低すぎると休眠状態になって成長が遅くなってしまいます。屋内の玄関など、あまり気温が下がりすぎない場所に置いておくことが望ましいです。

屋外でも問題有りませんが、まずは直射日光や雨の当たらないところに置くようにしましょう。飼育ケースが小さい場合はケースごとダンボールの箱に入れるなどして、あまり急激に温度変化が起きないように注意してください。

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