イワタニのタフまる・タフまるJr・風まるIIIはどれが良い?

ファミリーキャンプの調理火器として、カセットコンロを主役に押し上げたのが、イワタニのマーベラス(廃版:イワタニの別ブランドFore Windsに後継機あり)やタフまると言っていいのではないかと思います。

現在では、イワタニからアウトドアでも使えそうなカセットコンロとして、タフまる以外のラインナップを増やしてきています。

当記事では、それらアウトドア向けカセットコンロについて、用途別に最適なものを選ぶためのポイントやおすすめ機種について紹介します。

屋外でも使いやすいこれらのカセットコンロは、災害時の備えとしても適していますね。

アウトドア向けカセットコンロ一覧

現在(2023年1月)時点でイワタニから販売されているカセットコンロ(キャンプなどのアウトドアで使えそうなもの)をまとめます。

イワタニ公式サイトおよびFORE WINDS公式サイトより
  風まるIII タフまる タフまるJr. LUXE
CAMP STOVE*1
FOLDING
CAMP STOVE*1
最大発熱量 3.5kW 3.3kW 2.3kW 3.5kW 2.2kW
バーナー方式 外炎式 多孔式 多孔式 多孔式 独自?
(多孔式に近い)
使用可能な
鍋のサイズ

鍋底の直径
24cm以下

鍋底の直径
24cm以下

鍋上面の内径
20cm以下

直径24cm以下 直径24cm以下
耐荷重

15kg

20kg

10kg

5kg 5kg
サイズ [mm] 357x278x115 341x283x129 286×192.5×122 380x329x110 111x285x114
重量 2.2kg 2.4kg 1.6kg 2.8kg 1.6kg
使用可能
カセットガス
イワタニカセットガス

イワタニカセットガス
イワタニカセットガス
  パワーゴールド

イワタニカセットガス
イワタニカセットガス
  ジュニア
イワタニカセットガス
  パワーゴールド

FORE WINDS
  ノルマル/イソ

イワタニカセットガス
イワタニカセットガス
  パワーゴールド

FORE WINDS
  ノルマル/イソ
イワタニカセットガス
イワタニカセットガス
  パワーゴールド

*1 : 岩谷産業の別ブランドである「FORE WINDS」の製品です

スペック値の意味

ここでは、各スペック値について、その意味するところについて説明します。これがわからないと比較のしようがないですからね。

最大発熱量/バーナー方式

これらは、火力の目安となる指標だと考えてください。

まず、最大発熱量というのは、そのコンロが最大火力時に燃焼するガスから発生する熱量のことです。

ここで注意したいのは、この数値はあくまでも燃えたガスから出てくる熱量であり、必ずしも鍋やフライパンに伝わる熱量ではないということです。例えば、いくら強力に燃えてもその炎が鍋にあたっていなければ無駄が多くなりますよね。

つまり、調理をする際の火力には、発熱量の他に、その熱量を鍋やフライパンに伝える効率も大きく影響するということになります。
そして、その「効率」に影響する要因の一つがバーナー方式です。

上の表で唯一風まるだけが「外炎式」バーナーです。

この外炎式バーナーというのは、実は我々が最もよく目にするタイプのものです。一般的なキッチンのコンロも多くはこの方式です。コンロと言ってたいていの人がまず思い浮かべるのがこのタイプだと思います。

一方の「多孔式」バーナーとは、ガスがたくさんの小さな穴からでて、多くの小さな炎を出すバーナーです。これは屋内で使うようなコンロでは見られませんが、アウトドアのバーナーでは一般的なものです。
多孔式バーナーの最大の特徴(メリット)は、風に強いということです。風が当たると外炎式のバーナーの場合は火が消えてしまうことがありますが、多孔式の場合は簡単に消えることはありません。そのためアウトドア向けのバーナーでは、この多孔式が使われることが多くなっています。

一方で、(僕が使った経験と感触では)多孔式は小さい炎に起因するするのか、外炎式に比べると熱効率が悪いように思います。
例えばイワタニのマーベラス(LUXE CAMP STOVEの前身)や、アウトドア向けのシングルバーナーを使った感じだと、同程度の出力の外炎式のコンロなどに比べて火力が弱いと感じます。(あくまでも、風がない条件という前提です)

そういうわけで、一般的にはキッチンのテーブルコンロや屋内向けのカセットコンロでは外炎式が主流で、アウトドア向けのカセットコンロやバーナーでは多孔式が主流となっているわけですね。

COMMENT

後でも述べますが、風まる/タフまるのダブル風防構造はすごく強力に風を防ぎます。
なので、外炎式バーナーである風まるも、同じダブル風防をもち、さらに多孔式バーナーであるタフまるほどではありませんが、アウトドアで十分使用することができます。
特に大きめの鍋で、内側の風防にフタをするような感じの時は、ちょっとやそっとの風ではさほど影響なさそうに見えます。

燃焼時間のスペックは気にする必要なし

カセットコンロを選ぶ際、「最大発熱量が大きくて、連続燃焼時間が長いものがよい」なんて紹介されていたりしますね。

そりゃそうなんですけど、現実は発熱量と燃焼時間は相反するので、両立は不可能です。
実際には、「発熱量×燃焼時間=カセットボンベ内のガスの燃焼エネルギー」となります。つまり、発熱量が2倍なら燃焼時間は1/2になるというわけです。

ちょっと一例を計算してみます。
まず、カセットボンベ内のガスは通常250gとなり、250gのガスを燃焼した際の総発熱量は大体3.45kW/hです。これは、3.45kWの熱を1時間放出し続けるという意味です。

細かな計算は省きますが、例えば2.2kWの発熱量だと94分、3.5kWの発熱量だと59分という計算になります。

実際には最大発熱量が2.2kWのタフまるJr.の連続燃焼時間はスペック値で102分、3.5kWの風まるは66分と、この計算値より少し大きくなっています。
これは、実際に使用する際は、ガスの気化熱で温度が下がる(→ガスの圧力が下がる)等の理由で、常に最大発熱量を出せるわけではないためです。

TIPS

カセットガスに使われるガスは、ノルマルブタン/イソブタン/プロパンの3種類(の混合ガス)がありますが、どれも燃焼した際の発熱量はほぼ同じです。つまり、ボンベ一本(250g)すべてを燃焼した際の総発熱量はほぼ同じです。

プロパン>イソブタン>ノルマルブタンの順に発熱量が大きいと誤解されていることがありますが、そういうわけではありません。
ただ、蒸気圧の違いにより、気温が低いときなどの火力(ガスの消費量)はプロパン>イソブタン>ノルマルブタンの順に大きくなります。

使用可能な鍋のサイズ/耐荷重

これはそのまま、使うことができる鍋のサイズと鍋と食材の合計重量です。

あまり大きな鍋やフライパンを使うと、なべ底からの熱の反射や輻射によりカセットガスが過熱してしまい危険なため、サイズの制限があるわけです。
そのため、サイズ自体が小さいタフまるJr.がちょっと不利になっていますね。

耐荷重ですが、これは鍋と中身の食材を合わせた合計の重量の制限です。これは普通のフライパンなどでは問題になることはなさそうですが、ダッチオーブンのような重い鍋だと使えないケースが出てきそうですね。

ここで、風まるとタフまる/タフまるJr.でそれぞれ対応できるダッチオーブンの目安をまとめてみます。
※ 耐荷重5kgのLUXE CAMP STOVE/FOLDING CAMP STOVEは8インチのダッチオーブンでもちょっときついかなと思います(一般的なダッチオーブンは3.5~4kg以上になってしまいますので、食材が軽ければOKです)

サイズ 風まるIII タフまる タフまるJr.
8インチ
10インチ ×
12インチ + ×

8インチまでならサイズ的にも耐荷重的にもいずれのコンロでも使えます。

10インチのダッチオーブンは、タフまるJr.だとサイズが大きすぎてしまうため、対応していません。

12インチのダッチオーブンは、ダッチオーブンによって、あるいは中身の食材の量によって対応/非対応が変わってきます。

ここで、人気のキャプテンスタッグ(鋳鉄)、ユニフレーム(黒皮鉄板)、SOTO(ステンレス)の12インチダッチオーブンのなべ底の直径と重量を見てみます。

12インチダッチオーブン比較
  キャプテンスタッグ ユニフレーム SOTO
鍋底直径 ? 23cm 25.5cm
容量 8.0リットル 8.2リットル 8.2リットル
重量 9.0kg 8.8kg 6.9kg
満水時総重量 17.0kg 17.0kg 15.1kg

まず、サイズについてです。
風まるIIもタフまるも、鍋底の直径が24cm以下であることが目安とされていますが、これは厳密に考えるとユニフレームのダッチオーブンならOK, SOTOのダッチオーブンならNGです。
つまり、12インチのダッチオーブンだと、鍋底直径24cmは微妙なラインということになりますね。対応するかどうかは、ダッチオーブンによるということになります。

COMMENT

まったくおすすめしませんが、僕はSOTOの12インチオーブンを使っています。(24cm以下が目安という説明に1.5cmぶん甘えています)

一応、長時間強い火力で使わないようにする等、ボンベが過熱しないように注意しているつもりではあります。

次に重量についてです。
タフまるは耐荷重が20kgありますので、問題ないと思います。
風まるIIについては、満水にしたら耐荷重の15kgを超えるのでダメですが、そんな使い方をするケースはほぼないかと思います。多くのケースでは15kgを超えることはないのではないかと思います。

使用可能カセットガス

カセットボンベってどのメーカーのものでも使えるように思えますし、実際ほとんどの場合は使えちゃうと思いますが、実はメーカーでは各コンロで使用できるボンベを指定しています。説明書等に必ず書いてありますが、指定したもの以外のガスボンベの使用は禁止しています。

そこには事情があるのですが、そのあたりは説明すると長くなるので興味のある方は以下を参照してください。

イワタニの純正カセットガスには、「イワタニカセットガス(オレンジ)」「イワタニカセットガス ジュニア」「イワタニカセットガス パワーゴールド」の3種類があります。
※ FORE WINDSのノルマルはイワタニカセットガス、イソは「イワタニカセットガス パワーゴールド」に相当します

  イワタニカセットガス
(オレンジ)
イワタニカセットガス
パワーゴールド

イワタニカセットガス

ジュニア

ブタン構成比 ノルマルブタン : 約70%
イソブタン : 約30%
ノルマルブタン : 約30%
イソブタン : 約70%
ノルマルブタン : 約30%
イソブタン : 約70%
内容量 250g 250g 120g

まず、一番良く目にする「イワタニカセットガス」ですが、これは中身のガスがノルマルブタン70%+イソブタン30%というものです。

パワーゴールドは、ノーマルのカセットガスよりもイソブタンを多く配合したものです。この特徴は、低温時に火力が弱くなりにくいというものです。

ノーマルのガスとパワーゴールドの違いは、イワタニの説明によると以下のようなものです。

カセットボンベは成分のブタンガスの特性により、10℃を下回ると気化しにくくなり、5℃以下になると、ほとんど気化しなくなるためお使いいただくことはできません。なお、カセットガスパワーゴールド、カセットガスジュニアはブタンガスの成分が異なるため、通常のボンベよりも低温下でもご使用が可能です。目安としては、5℃を下回ると気化しにくくなり、0℃以下になるとお使いいただけません。

イワタニサイトより

つまり、パワーゴールド/ジュニアの使用が認められていない風まるは、気温5℃以上でないと使えないということになります。

イワタニカセットガス ジュニアは、中身のガスはパワーゴールドのものと同じです。単にサイズが小さいだけなので、サイズや重量を気にしない場合は使う必要は特にないでしょう。

TIPS

寒くて火力が弱かったり点火できない場合の緊急策として、体温でガス缶を温めてやると使えるようになったりします。

用途別おすすめコンロ

ソロ(1人)・デュオ(2人)でしか使わないならタフまるJr.

少人数でしか使わないならコンパクトなタフまるJr.が良いと思います。

ソロキャンプ・デュオキャンプの場合、コンパクトで持ち運びに便利で小さいテーブルでも使いやすいタフまるJr.が使いやすいかと思います。

使用するフライパン・鍋も小ぶりなものになると思うので、2.2kWの火力で不足することもあまりないでしょう。

アウトドアでがっつり使うならタフまる

アウトドアでの利用に特化するとか、風の強い環境でも使いたいならタフまるがおすすめです。

どちらにするか悩みどころな風まるに対するメリットは、多孔式バーナーによる耐風性と、寒冷地でも多少ましな火力で使えるイソブタン配合のカセットガス(イワタニカセットガス パワーゴールド)が使えることです。
一方で、屋内など風のない環境で使う場合は、風まるよりも最大火力は弱くなります。

気温が低い(目安10℃以下)環境や、風が強い環境で使うのであれば、風まるよりこちらのタフまるですね。

しっかりした火力で調理したい&アウトドアでも使いたいなら風まる

アウトドアで使うけれど、さほど過酷な環境ではないというなら風まるでOK。

3.5kWの外炎式バーナーと、キッチンのコンロに近い火力を得ることができるので、調理器具としてのカセットコンロの性能は申し分ありません。

タフまるに比べると耐風性・耐荷重で劣りますが、実用上はどちらも大きな差はありません。

キャンプでもカセットコンロは、風がなく冬でもそこそこの気温があるスクリーンタープ/シェルター内などでの使用であればタフまる以上の利便性はあると思います。

実勢価格もタフまるよりちょっと安い(本記事執筆時点)なのも良いですね。

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ブログ管理人
KANI

キャンプ好きサラリーマン。歴は長いけど最近キャンプの機会は激減中。
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