中国製キャンプギアの実態と失敗しない購入法

アマゾンを始め、ネットショップには聞いたことのないブランドのキャンプ用品がかなり売られていますよね?

中には、全く同じものに見えるけど、異なるブランドで販売されていたりしている物もあり、一体どうなっているのだろうと疑問に思ったことはありませんか?

実は僕も過去にオリジナルブランドの商品をアマゾンで販売していたことがあるので、このあたりの事情と、最小限のリスクでコスパの良い中国製キャンプ用品(中華ギア)を購入する方法を紹介します。

中国製品のアマゾン販売

僕が過去にやっていたのは、中国で作られているもの(キャンプ用品がメインでしたが、他にも趣味や本業の関係で商品知識のあった分野の商品もありました)を仕入れてアマゾンで販売するというものです。

他にも、海外のネットショップで購入したものを並行輸入品としてアマゾンで販売することもたまにありました。

目的は小遣い稼ぎだったので、実働時間はせいぜい月に5〜6時間でした。ただし通勤時間等を利用して毎日のように各種の調査等をしていた時間は月に20時間くらいあったと思います。

収入(利益)はいいときで月に10万円くらいでした。当時本業としてフルタイムでやっていたら結構稼げていたかもしれませんね。いまは少なくとも当時と同じやり方じゃあそこまでうまくいかないと思います。

※ 最近ならメルカリとかのほうが高く売れるので利益率は高いかもしれません。

始めたきっかけ

もともとキャンプ用品を海外のネットショップで購入したりしていたのですが、それらのものが日本のアマゾンなどで並行輸入品として、まあまあ利益が出そうな価格で販売されていることを知りました。

それで、自分が欲しいものがあると、例えばそれを5個買って、自分用以外の4個は転売したりするようになったのが始まりです。これはアマゾン販売をやめるまで、たまにやっていました。

その後は中国の工場などから直接仕入れて販売するほうがメインになっていきました。

やめた理由

一番大きな理由は飽きたからです。
最初の頃は売ることよりもいろいろな商品を見たり調べたりすることが面白かったんです。ただそれもさすがに数年も続けると目新しい商品もあまりなくなってくるので、ただ仕入れて検品してアマゾンに発送するだけの僕的には退屈な作業になっちゃうんですよね。

キャンプの大きな資金源が断たれるのは痛いですが、もともと趣味の一貫でしかなく、生活のためのものではなかったので、モチベーションがなくなったら続けるのは無理でした。

もう一点は主に中国の業者が日本のAmazonで直接販売することが増えてきて、それに太刀打ちできなくなっていたこと、本業(会社員)が一時メチャメチャ忙しかったタイミングだったこともあります。

仕入れから販売まで

僕が行っていた、仕入れから販売までの方法を紹介します。

仕入先

僕の場合は、Alibaba.comで商品も仕入先も探していました。

アリババグループには、他にも個人が買い物をするためのAliExpressや、どちらかと言うと中国国内向けのタオバオ等のモールがあります。

Alibaba.comは主にB to Bビジネス(企業同士の取引)向けのモールであり、販売者として登録されているのは各種製品の工場や販売代理店です。

B to Bが前提のため、購入は100個とか1000個単位となりますが、その数量さえ購入すれば、こちらが法人格でなくてもちゃんと取引してくれます。このあたりは中国の企業は鷹揚なんですよ。(もちろん、前払いが基本になりますが。)

アリエクスプレスで直接買ったり、タオバオ+現地転送業者で仕入れる方法もあり、僕もやったことはあります。ただやはり生産者と直接コミュニケーションがとれるAlibaba.comのほうがやりやすかったし、中間業者へのマージンもいらない分仕入れは安くなる傾向なので最終的にはAlibaba.comだけになりました。

※ Alibaba.comの登録者は、国外(中国以外)の企業との取引が前提なので、英語の読み書きができればコミュニケーションは取れます。日本語で回答をくれる業者もたまにあります。

商売をするつもりがなくても、AliExpressなどでいろいろな商品を眺めているだけでも暇つぶしになると思いますよ。僕はいまでも個人用途のものをAliExpressで購入したりしています。

商品を眺めるだけなら会員登録する必要はありません。
もし購入したいものがあった場合、以下のサイトにある方法を使って入会すると24ドル分のクーポンがもらえます。2,500円分くらい買えるんです。これは結構大きいですよね。
https://crab.kanicamp.com/netshop/aliexpress_coupon

商品の探し方・決め方

先にも書いたように、大抵の場合、商品はAlibaba.com内で探していました。

とりあえず適当な検索ワードで検索し、興味のあるものがあれば、それを製造しているメーカーに問い合わせます。
最初は価格とかMOQ(Miminum Order Quantity:注文できる最小の数量)を聞くくらいです。僕のような趣味でやっているような個人だと、このMOQが折り合わないことが多かったですね。さばききれないような数は仕入れることはできませんから。

サイト上に書いている(書いていないことも多いですが)MOQや価格は参考値と思って良いです。直接聞けば少量で買わせてくれたり、安い価格で提示してくれたりします(MOQが少ないと高くなったりもします)ので、とりあえず聞いて見る感じです。

条件が合えば、サンプルを送ってもらいます。安い小物とかなら大抵は輸送費だけ出せばただでくれます。

中には顧客の秘密保持なんて考えていないようなところもあります。。
OEM供給先らしいブランドのロゴが入っていたりするものをサンプルとして送ってきちゃったりすることもありました。
クマのマークでおなじみの北欧のメーカーだったり、日本の某有名アウトドア用品メーカーだったり。。。
※ いくら有名メーカーでも、すべての製品やパーツを自社で作ったりしていないので、中国などのメーカーの製品に(必要であればちょっと品質向上させて)ロゴだけつけた物も使うのはふつうの事です。

中国の工場は、良いものだけを選んでサンプルとして送るような小細工も特にしない(というか、品質に問題があるとも思っていないのかもしれません)ようで、品質的にNGなこともおおいです。
そういうときは改善できないか交渉してみます。例えば、金属部品にバリが残っているような場合、ちゃんとバリ取りの工程を入れてくれとお願いしたりする感じです。
そうするとちゃんと対応してくれることもある(もちろん価格は上がったりします)ので、またサンプルを送ってもらったりして、最終的に自分が買っても後悔しないレベルまでいったら商品化するといった感じでした。そこまで行くのはたぶん1割以下だったと思います。おかげで最初の頃は赤字が何ヶ月も続きました。

これは誤解している人が多いと思いますが、僕の感覚では、中国では高品質なものが技術的に作れないなんていうことはなく、高品質なものが必要という意識があまりないだけなんです。 (日本人が品質にうるさいということは知識としては知っています)
なので、余分にかかるコスト+αを出せば個人事業者相手でも対応してくれるところもありました。(しばらくするとまた元の品質に戻っちゃったりするんですが。。)

商品の自社ブランド化

アマゾンなどで、全く同じものに見える商品が違うブランド名で売られていたりする理由の一つがこれなんです。

例えば、小さなアルミ部品に、シルクスクリーンと言われる印刷でブランドロゴが入っていたりしますが、これは製造メーカーに頼めば1つあたり数円から入れてくれます。

ロゴが印刷されていれば、もうそれだけでオリジナルブランドになっちゃうわけです。

見たこともないブランドのロゴなんてついていてもダサいだけなのに、なぜわざわざそのようなことをするかというと、これはアマゾンの仕組みにも原因があります。

アマゾンの商品ページは、1つの製品で1つのページが基本です。

楽天ではショップごとにそれぞれが取り扱う商品ページを独自で作りますが、アマゾンの場合は1つの商品ページを、それを販売する業者が共用するようになっています。

そして、アマゾンでは中国等で仕入れるノーブランド商品など、見た目やスペックが同じなら同一製品とみなされます。

販売者はこれを嫌うんです。

例えば、僕の場合はコストをかけてバリを取るなどの工程を入れてもらうなどをした上、国内に届いてから全数の検品とかをやっていたわけです(ただ実際のところ、こんなことしていたのは少数派だとおもいますが)。そこに同じ商品として検品すらしていない低品質のものを低価格で売りまくられ、挙げ句の果てに悪いレビューだらけにでもなったらたまったものではないんですよ。

そのため、自分の商品はオリジナルということにするための手段として、商品に刻印されたロゴが必要になるわけです。

もう一点は、単純に同一製品として扱われると価格競争になっちゃうのでそれを避けるためとか、何もないよりは見たことなくてもロゴが入っている方が人によってはちょっと高くても買ってくれる、という事情もあります。
なので、ロゴが入っているからといって、品質がいいっていう保証は全然ないんです。だれでも作れるのですから。

アマゾンにはびこる謎ブランドの実態

こういったわけで、独自のブランドを作ってネット販売するくらいのことであれば、個人でも割と簡単にできてしまいます。
実際にアマゾンなどで販売されている中国ブランドには、中国や日本の法人が企画した製品中国メーカー(工場)の製品に、中国や日本の法人・個人がロゴだけつけた製品などが混在している状況です。

アマゾンにはこういったブランドの商品がたくさん販売されています。もちろん本当のオリジナル商品を企画から設計・製造している中国メーカー・ブランドもたくさんあります。

全く同じ商品に見えても、製造メーカーが違ったり、同じメーカーのものでも販売者がつけたブランドロゴが違っていたりするのがこれらの実態です。

最近は、中国のメーカー(工場)が直接アマゾンで販売したり、中国の業者、個人による販売がすごく増えています。

特にこの個人販売の方は、短期的な利益を優先するあまりに粗悪なものを販売したりするケースがあり、中華ギアのイメージが良くならない一因になってしまっていると思います。

僕から見ると、多くの中華ギアは昔に比べてかなり質が良くなっています。

良い商品の見分け方

それでは、似たような商品の中から、どれを選べばいいのかというと、正直僕も難しいです。というか、そもそも当たり外れが多いのが実情です。

まず1つの目安は、FBA商品を選ぶことです。FBA(Fulfillment By Amazon)とは、販売業者からアマゾンの倉庫に商品を預かり、注文が入るとアマゾンが発送するというものです。
購入ボタンの近くに「この商品は〇〇が発売し、Amazon.co.jpが発送します」となっているのがそれです。

FBAの場合はアマゾンのシステムや配送手段を使うため、商品の間違いや届かないなどのトラブルが少ないです。
そして、FBA商品の場合、不良等があった場合、アマゾンのポリシーで返品・返金が可能なことです。アマゾンはアメリカの企業としうこともあり、消費者にかなり有利なポリシーを持っています。FBA商品の場合、事実上自分で壊したのではない限り、いかなる理由でも返品可能であることを意味します。

ちなみに、FBAであること自体は品質の保障にはなりません。アマゾンでは検品などしませんので。

もう一点はレビューの見方に注意することです。アマゾンではヤラセのレビューがまだ多いです。これはアマゾンのシステム上、レビュー数が多くて評価の高い商品が検索上位になるため、高評価レビューが多くついた商品は圧倒的に売れるようになるためです。
ぶっちゃけ、一部の業者・個人はヤラセレビューで評価を操作しています。

試しに、Twitterで「アマゾン レビュー」とかで検索してみれば、アマゾンのレビュー募集専用のアカウントがいくつも見つかると思います。
「購入金額を後で返すから高評価のレビュー書いてください」って言うやつです。もちろんこれはアマゾンで禁止されている行為です。
※ こんな話には絶対に乗ってはいけませんよ。詐欺の片棒を担ぐようなものです。
Twitter以外でもこのようなものもあります。
この写真は、僕がアマゾンで購入したある商品に同梱されていたカードです。
要するに「高評価レビューをしてくれたら1,500円のアマゾンギフトを贈ります」っていう内容ですね。これ、購入した商品は1,000円ちょっとのものなんですよ。リターンのほうが大きいんです。
※ これはこの写真とともにアマゾンに通報しましたが、その後も(かなり怪しい)5つ星のレビューが並んだままだし、僕が購入した業者もそのまま販売を続けています。
※ ちなみに商品は悪くないものでした。。。

僕の経験では、商品を100個売ってレビューが1件つくかどうかと言うのが自然な数です。元同業者なのである程度販売数は予想できるものもあるのですが、その数に対して異常にレビュー数が多かったりするのは怪しいですね。

基本、レビューは星3つ以下のものならおそらく本物です。僕はまず低評価のレビューから見てその商品を判断しています。

誤解のないようにいいますが、ヤラセレビューはごく一部の販売者がやっていることです。(もちろん中国業者に限りません。日本の業者・個人だってやっています。)
ただ、これもアマゾンのチェックが厳しくなったので最近は減ってきているようです。

中華ギアは面白い!

リスクがあるのは確かですが、中華ギアにはコスパに優れ、買って正解だったと感じるものが多いのも確かです。

僕はどちらかというと、そういうものを試してみるのが好きなので、特にちょっとした小物なんかは割と積極的に購入しています。

アマゾンなどの場合、粗悪なものだったら返品してしまえばいいだけのことですし。

もちろん、ここで紹介したのとは違うちゃんとしたアウトドアメーカーも中国にはあります。以下の記事でそういった中国メーカー/ブランドを紹介しています。

コスパ最強から本格派まで : 中国アウトドアメーカー/ブランドのまとめ
以前、以下の記事を書いたところ、僕の予想外に訪問してくださる方が多くて、中華ギアに対する注目の高さを改めて感じました。 上記の記事では、どちらかというと中華ギアのネガティブな点(というか、一部の中華ギアの販売者のネガティブな点)に着目した内...
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