夏キャンプの暑さ対策

キャンパーによっては、夏はキャンプのオフシーズンなんていう人もいるくらい、灼熱下でのキャンプは(楽しいけれども)つらい面がありますね。

一般的なキャンプ場での一般的なオートキャンプなら、冬の寒さは石油ストーブを使うなり厳重な防寒対策をとるなりするなど、どうにでもなるものです。
むしろ冬の寒さ対策より難しいのが、夏の暑さ対策です。

当記事では、夏キャンでの暑さ対策の方法を紹介していきます。

キャンプでの暑さ対策に決定打はない?

先にも述べましたが、キャンプにおいて寒さに対する対策はいろいろあります。

例えば、石油ストーブを使ったり、電源サイトの場合はホットカーペットを使うなどすれば、自宅の室内に匹敵する快適さを得ることが出来ます。

その一方で、暑さについてはなかなか劇的な効果のある対策がないのが実情です。

自宅の場合は冷房を使ったり、冷凍庫でキンキンに冷やした氷などがありますが、キャンプにおいては電源があったとしても、エアコンや冷凍庫を持っていくのは現実的ではありませんよね?

いくつかの対策を併用することで、少しでも過ごしやすくするのが、夏キャンプでの暑さ対策となります。

対策その1 : 暑い時期・場所でキャンプをしない

河畔キャンプ

僕がまず考える(そして近年はほぼこれを実践している)のが、夏は涼しい場所でキャンプをするというものです。

あれ? これは暑さ対策とは言えないですね。
それでも、夏キャンプを快適に過ごしたいのであれば、まず考えるべきは「どこでキャンプをするか」ということです。

標高が高い場所

一般的に標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がると言われています。

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学校などで100mあたり約0.5℃とか、約0.65℃とかって習った記憶がある人もいるかも知れませんね。
いつ習ったかなどでも違うと思います。(小学校では0.5℃、中学校なら0.65℃とかかな?)

国際標準化機構(ISO)が定めた「標準大気」では1kmあたり約6.5℃(つまり100mあたり約0.65℃)です。
ただし、これは空気が乾燥している場合の話であり、湿度が高い日本の夏ではおそらくもうちょっと低く(標準的には100mあたり約0.5℃)なります。(参考:気温減率:Wikipedia

いずれにしろ、気温は地形などの周辺環境に大きく依存するので、上記の気温の低下する度合いはあくまでもざっくりした目安と考えればよいです。

山地や高原など、夏でも涼しいエリアのキャンプ場であれば、比較的快適に過ごすことができます。

例えば関東ではキャンプの聖地とも言われる道志エリア(キャンプ場があるのはだいたい標高500-1000mくらい)の場合、8月の平均気温だと最低気温20℃以下、最高気温は25℃程度と、わりと過ごしやすい気候です。
※ もちろん道志エリア内の平均なので、どのキャンプ上でも常に上記の範囲になるとは限りません。

水辺のキャンプ場

例えば地域によっては海辺のほうが内陸よりも気温が低い場合などがあります。
また、海・湖・川などは風を遮るものもなく、比較的涼しい風が吹くことが多くなります。

同じ気温でも風の有無によって体感温度はかなり違いますよ。
まあ、気持ち良い風が吹くかどうかは運の要素も大きいですが。。

COMMENT

河畔・湖畔のキャンプ場の場合、標高も高めの場所にあることが多いので必然的に涼しいところが多いというのもありますね。
それと、何と言っても水辺だとなんとなく涼しげな気分になるというのも大きいと思います。

昼間であれば、水遊びなどをするなり、足を水につけるなりするだけでかなり暑さを抑えることもできます。

ただし、特に海岸キャンプの場合は日差しを遮る木陰がないことが多いので、このあとに紹介するタープなどの日除けやそのたの暑さ対策も併用することをおすすめします。

対策その2 : 日除けをしっかり

昼間の暑さに一番影響するのが直射日光です。
まずは直射日光を避けるための対策をしっかり取るようにしましょう。

木陰でキャンプ

キャンプ場所・サイトを選べる場合は、なるべく木陰になる位置や大きな木に囲まれているようなサイト(林間サイトなど)を選ぶようにしましょう。

フリーサイトなど先着順で場所が決まるようなキャンプ場では、夏場は木陰が争奪戦になったりもしますよ。
区画サイトの場合、(それが可能なキャンプ上であれば)あらかじめ木陰が多いサイトを予約するのも手ですね。

日除けの帽子をかぶる

ついつい忘れてしまいがちなのですが、日除けのための帽子をかぶるようにしましょう。

日焼けや熱中症の防止という意味でも重要です。

できれば(前にしかツバがない)キャップではなく、(360度ツバになっている)ハットが良いです。
そして、ツバも大きめのタイプを選ぶようにしましょう。

キャンプやBBQのようなアウトドアではサファリハットが使いやすく、機能性も良いと思います。

子供の場合は、マリンハット/スイムハットがおすすめです。
海や川で水遊びをするさいもかぶりっぱなしでOKですよ。(かぶりっぱなしを推奨します)

遮光性が高いタープを使う

特に夏場のキャンプでは、遮光性が高いタープの使用が有効です。

タープにも様々な種類がありますが、暑さ対策の観点では遮光性が高い生地のものがおすすめです。

遮光性の高さによってタープ内の温度は数度以上変わります。体感でも明らかに違うくらいはっきりした差があります。

遮光性の高さは、主に生地の厚さや色によって変わります。
一般的には生地が厚く(日光を通しにくい)て色が暗い(日光を吸収しやすい)ものほど遮光性は高くなります。

COMMENT

生地が厚くて遮光性の高いタープにもデメリットはあります。
まず、生地が厚い分、収納時にかさばり重量も重くなります。同じサイズのものでも生地が薄いものに比べると数倍にもなったりしてしまいます。
また、逆にタープの影が濃すぎて暗くなるため、特に秋~春のキャンプや天気の悪い時はやや快適性には劣ってしまいます。

とは言え、真夏を含め年間を通してキャンプをする人がタープを1枚だけ持つとすれば、遮光性が高いものにしておいたほうが無難だと個人的には思います。

最近は、日光を遮断するための特殊な加工を施しているタープも販売されています。こういったものははなり強力に日光を防いでくれます。
僕はまだ現物を見たことがありませんが、最近販売された以下のものはなんと遮光率100%とのことです。

コットン・ボリコットン素材のタープは?

コットン/ポリコットン(TC)素材のテント・タープは生地が厚いため、ポリエステルやナイロン等の(遮光性を考慮していない軽量タイプの)テント・タープよりも遮光性が優れています。

遮光性が高く比較的火の粉に強いことなどもあり、年間を通して(天気さえ良ければ)快適に過ごすことができる素材ですね。

COMMENT

防水性は悪い&濡れると超重くなるしちゃんと乾かさないとカビやすい等の弱点もあり、雨よけとしての機能性はポリエステル・ナイロンのほうが優れてるともいえます。
※ 多少の雨なら傾斜を大きめにしてピンと張っておけば、雨水は傾斜に沿って落ちるので雨漏りはほとんどしません。雨水がたまるような張り方をしていたらアウトです。

UV(紫外線)カットは必要?

暑さ対策の観点だけで考えると、UVカットの有無はさほど重要ではありません。暑さに関係してくる度合いは紫外線よりも赤外線のほうがはるかに大きいです。

実際には、特に生地がポリエチレンやナイロンなどの化学繊維のタープはUVカット加工されているものが比較的多いです。

TIPS

化学繊維は繊維自体に機能性の材料(例えばUVを吸収する素材など)を練り込んだり各種コーティング加工がしやすいということもあり、同じ生地のタープでも、その機能は様々です。

遮光性も例外でなく、単純に素材や厚みだけで判断することは難しく、理想は現物を確認することだと思います。
屋内のショップでも、生地を照明にかざしてみるなどしてみると違いはよくわかりますよ。

もちろん、肌などへの影響を考えると紫外線は害になり得るので、UVカットがあるに越したことはありませんね。

コメント

個人的には、紫外線と赤外線だけをカットするタープがあれば理想的だなあと思います。
赤外線カットで暑さ対策をしつつも可視光はある程度通して暗くならないようなタープがあるといいな。もしかしたらあるのかな。

テントを早めに張る

キャンプにも慣れてくると、チェックイン後にとりあえずタープだけ張ってのんびり過ごし、テントは夕方以降になってからちゃちゃっと張ってしまう人もいます。(僕がこれです。とりあえずタープ張ったらまったりしちゃう)

ただ、夏キャンプではチェックインしたらすぐテントを張っちゃったほうが良い場合もあります。

というのも、昼間のうちに直射日光にさらされていると、サイトの状態によっては地面がかなり熱くなります。
そして地面はなかなかの保温効果を発揮します。

地面が暖まってからテントを張ると、夜になってもテント内部の気温がなかなか下がりません。

地面が午後の強い日差しにさらされる前にテントを張ってしまっておくことで、地面に熱がたまるのを防ぐことができます。

対策その3 : 扇風機・冷感グッズを使う

いくら直射日光を避けても、気温そのものが高ければどうしても暑くなりますよね。
冷感グッズ等を使うことで、積極的に体を冷やすようにしましょう。
熱中症や脱水症の防止にも効果的です。

扇風機・送風機を使う

昼間はもちろん、寝苦しい夜の暑さ対策としても効果を発揮するのが、扇風機の使用です。
個人的にはおすすめNo.1の対策です。

これは、電池・バッテリーで動かすような小型なものより、家庭内で使うようなAC電源を必要とするもののほうがずっといいです。

自宅にあればそれを持っていけば良いですし、キャンプのために購入するのであれば車で運ぶときの収納性が良いタワー型のファンがいいですよ。

最近はAC電源付きのキャンプ場が増えていますので、AC電源が使える場合は積極的に利用することをおすすめします。

電源の使用には別料金(おおくが1,000円くらい)が必要ですが、暑くて眠れない辛さを考えると決して高い出費ではありませんよ。
AC電源があればスマホやLEDランタンの充電の他、IHコンロが使える等、他にもいろいろと便利ですし。

AC電源サイトが使えない場合でも、ポータブル電源があれば扇風機を使うことができます。

例えば、1000Whの容量のポータブル電源があれば、普通の扇風機を一日中(24時間)使うことができます。
400Whだとしても10時間くらいなので、一晩は持ちます。
※ 扇風機の消費電力が30W(一般的な扇風機の消費電力がだいたいこのくらい)で使用する場合です。
← 30[W] ✕24[h] = 720[Wh] < 1,000[Wh] ✕ 0.8 (効率を80%=0.8と仮定)

首掛け扇風機

上記の扇風機はちょっと大掛かりになってしまいますが、こちらはコンパクトな首掛け式の扇風機です。

ヘッドホンをゴツくしたような形状のものもあり、なかなか評価も良いようなのですが、キャンプにおいては(特に家族分用意するとなると)ちょっと大きくて邪魔になりそうです。
※ 僕はこのタイプのものは使ったことがないので、あくまでもなんとなくそんな気がするっていうだけです。

個人的には、ネックレスタイプ(首から紐でぶら下げるタイプ)のものと、この後に紹介する冷感タオルの組み合わせがおすすめです。
※ ヘッドホンスタイルは冷感タオルとの組み合わせが難しそうですね。

冷感タオル

水で濡らして首に巻いて使うタオルです。

血液が多く流れている首を冷やすことで、体温の上昇を防ぎます。

最近はちょっと特殊な素材を使った専用のものが多く販売されていますが、個人的には普通の手ぬぐい等でも大差ないように感じます。
ただ、専用のものは首に巻くのにちょうどよいサイズ・形なので使いやすいですね。

先に紹介した首掛け扇風機と併用すると、風でタオルが冷やされるのでいい感じになりますよ。

COMMENT

水に濡らさなくても触るとひんやりした感じの生地のものなどもありますが、濡らすタイプと比べると効果は限定的なように思います。
また、保冷剤を入れるタイプのものもありますが、これは保冷剤が冷たい間しか効かないので、キャンプには不向きですね。

その他対策

その他、誰にでも効果があるのか確信は持てませんが、僕は実践している対策について紹介します。

サングラス

正直なところ、ちゃんとした理由があるのかわかりませんし、僕だけなのかもしれませんが、サングラスをすることで涼しくなったように感じます。
体感的には2~3℃くらい違うかもしれません。僕は夏キャンプでは手放せなくなりました。

UVカットのものであれば、強すぎる紫外線から目を保護する効果もありますので、是非一度試してみてはいかがでしょうか?

暑さに慣れる

暑さに慣れると言っても、なにも我慢強くなれと言っているわけではありません。

暑さに体を順応させることで、ある程度暑さにも強くなることができます。これを暑熱順化と言うそうです。(参考:熱中症ゼロへ:日本気象協会

具体的には、暑熱順化により発汗量が増えたり皮膚に近い場所の血液の流れが多くなり、体から熱が発散しやすくなるそうです。

暑熱順化をするのはそう難しいことではなく、普段からある程度汗をかく位の運動や入浴をしておくだけです。

普段はオフィスでのデスクワークが多い人など、冷房になれた体だと汗も書きにくくなりますね。(僕は昔から汗をかきにくい体質なんです)
本格的な夏になる前から、無理のないウォーキングなどを習慣づけるようにしておくとよいかと思います。

最後に

当記事では、夏キャンプにおける暑さ対策について紹介しました。

キャンプスタイルは様々ですし、当記事で紹介したすべての対策を取れるわけではないでしょうし、必ずしも取る必要があるわけではありません。

まずは真夏の酷暑が予想されるようなキャンプは熱中症・脱水症状のリスクもありますので、暑さ対策はしっかり行っておくようにしましょう。

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