キャンプでの防寒対策

キャンプスタイル

冬の間はもちろん、キャンプをする場所によっては、9月から6月位の時期は、朝の冷え込みが強くて防寒対策が必要になります。

当記事では、主にファミリーキャンプ・オートキャンプでの防寒対策について紹介します。

テント

テントの素材、構造、大きさよって、防寒の能力がかなり異なります。

素材

素材による防寒の能力は、その断熱性と通気性が大きく効いてきます。

もちろん、断熱性が高く、通気性が低いものが防寒性能は高くなりますが、後に述べるように、素材そのものの断熱性、通気性は防寒という意味ではさほど気にしなくてもいいと思います。

ファミリーキャンプ向けのテントで使われている素材は、大きく分けてナイロン/ポリエチレン等のものとコットン/ポリコットンのものがあります。

ナイロン/ボリエステル等

ナイロンやポリエステルは最も一般的に使われている素材です。(ナイロンは一部の高級テントだけです)

生地そのものが丈夫なので薄くすることが可能であり、そのため非常に軽量で、収納時にもコンパクトに畳めることが最大の利点です。

コットン/ポリコットン

コットン(木綿)やコットンとポリエステルを混合させたポリコットン素材は、ナイロン/ポリエステル生地よりも厚みがあることもあり、生地自体の断熱性は高いです、ただし一般的に通気性も高いため、一概に暖かいとは言えません。

コットン・ポリコットンの最大の利点は、ナイロンやポリエステルなどの化繊素材よりも燃えにくく、内部で火器を使えるものもあるという点です。

薪ストーブや石油ストーブなどの強力な暖房が使えるため、寒いときも快適に過ごすことができます。

構造

テントの構造で防寒対策に効いてくるのは、密閉性、シングルウォール/ダブルウォールの違いやスカートの有無などが挙げられます。

密閉性については、どのような気候でも常にある程度のベンチレーション(換気)をするのが基本(通常は防寒よりも換気を優先させるべきです)ですので、さほど気にする必要はないと思います。

一酸化炭素を発生させる可能性のあるような火器を使う際は当然のことですが、そうでない場合にも結露を防止するためにベンチレーション(換気)が必要です。
ベンチレーションが不足していると驚くほどテントの内壁に結露が発生し、テントの中が水に濡れることになります。
防寒性とはトレードオフになるのですが、体や荷物が結露で濡れるのを避けるため、ベンチレーションはしっかりと行うべきです。

シングルウォールとダブルウォール

シングルウォールとダブルウォールで比較すると、防寒の効果が大きいのは、(形状やサイズが同等の場合)ダブルウォール構造です。外側のレインフライと内側のインナーテントの間に空気の層ができ、これが断熱材の役目を果たします。
実際にはベンチレーションなどによりこの空気は入れ替わってしまうのですが、なにもないシングルウォールに比べるとその効果は大きいものです。

一部のテント(コットンのティピー型など)を除き、普通のファミリーテントはダブルウォール構造です。
ファミリー向けのドームテントにおいてはダブルウォールしか選択する余地は無いと思ってください。

シングルウォールのテントは、快適性よりも軽量化が重視される登山用途などではよく使われますので、ソロ向けなどのものはいろいろあります。

スカート

もう一点がスカート(スノースカート、マッドスカート)の有無です。スカートがあると、インナーテントとレインフライ間の空気が入れ替わりにくくなるため、テント全体の断熱性が上がります。

テントスカート

この写真の黄色い点線で囲んでいる部分がスカートと呼ばれる部分です。

逆にベンチレーションは悪くなり結露が発生しやすくなったり、夏には熱がこもりやすくなりがちというデメリットもあり、全てのテントについているわけではありません。

逆に、スカートがついているテントは、寒い時期に使われることを想定されたものである(4シーズンテントと言われます)ものであり、雪や強風も考慮されているため、生地もポールも丈夫なものが使われています。
その分重量が重く、価格も高くなりがちというデメリットもあります。

正しい : スカートが付いている→4シーズン対応テント
これは、多くの場合当てはまると思っていますが、以下は間違っています。
間違い : スカートが付いていない→4シーズンに対応していないテント誤解されていることが多いですが、(日本のテントメーカー以外では)おそらく4シーズンテントでもスカートが付いているのは少数派です。上の写真のように、前室(リビング)にはスカートが付いていても、寝室部分にはついていないものが多いです。ダブルウォールテントの大きなメリットは防水と換気性能が両立できることなのですが、スカートはこの換気性能を殺してしまう方向に働くので、あまり積極的に使われていないのだと思います。
※ 欧米は寒さにも強い人が多いのかもしれませんね。。

テントの選び方

これは僕個人の主観がだいぶ入りますが、テントに関しては防寒以外の要因も考えて好きなものを選ぶのが良いと思います。

ただし、薪ストーブ・石油ストーブなどの火器を使いたい場合は、メーカーが火気の使用を認めているテントに限定されます。事実上は一部のコットン/ポリコットンテントなどに限られます。

テント自体が難燃性のものであっても、寝袋等は簡単に火がついてしまいます。
コットンテントを使う場合も、寝る前には火気は消すようにしましょう。
つまり、寝ている間は火気による暖房に頼らなくて済むように防寒対策を準備しておく必要があります。コットンのテントも化繊のものに比べれば燃え広がりにくいというだけで、決して燃えないわけではありません。火やストーブなどの高温な部分にふれたら普通に燃えて穴が開きます。

子供が小さい場合や、キャンプに慣れていない人は、火気を使わず、ダブルウォールのあまり大きすぎないテントをおすすめします。
※ 大型なテントは大きい分だけ冷え易くもあります。

スカートについては、冬専用で使う前提ならついていたほうが良いかもしれませんが、さほど重要ではない(他の防寒対策をしっかりすることが重要)と思います。

マット・パッド

テント以上に重要だと言えるのが、マットやパッドです。これと次に説明する寝袋が最低限必要なものであり、かつ最も重要なものです。

寝袋さえ暖かければよいように思うかもしれませんが、実際寝るときはどんなに暖かい寝袋を使っても、地面からの冷えには無力です。地面と体の間の断熱ができていないと、寒くて眠れません。

これは素材やタイプなど様々な選択肢があり、ちゃんと説明すると長くなってしまうので別記事にしています。ぜひ以下の記事を参照してみてください。

キャンプマットの種類と選び方
以下の記事では、キャンプで使う寝袋について解説しました。そこでも述べましたが、実は寝心地を左右するのは寝袋よりもマットのほうが影響が大きく、防寒についても寝袋と同等の重要性があります。 当記事では、主にファミリー・オートキャンパー...

上記記事でも説明していますが、フロアに敷き詰めるテントマットでテント全体の断熱をすることと、体の下に敷くスリーピングパッドで地面から伝わってくる冷えを遮断することの併用をおすすめします。

寝袋

寝袋の防寒性を含めた適切な選び方については、以下の記事で寝袋の素材やタイプ別に詳しく説明しています。これもマットに匹敵するくらい重要なので、是非チェックしてください。

寝袋の種類と選び方
キャンプだけでなく、オフィスでの仮眠用や、最近では災害に備えて用意する人も多い寝袋(シュラフ、スリーピングバッグ)ですが、その種類の違いや選ぶ基準を知っていますでしょうか? 当記事では、主にファミリー・オートキャンパーをターゲットとして、...

選ぶポイントは、寝袋に表示されている使用温度です。

個人差があるのでなんとも言えませんが、僕の感覚では、実際の気温よりも数℃低い快適使用温度が設定されているものでないと、ちょっと寒いです。

服装

あまりガチでない、ファミリーキャンプのような場合は、特別な装備が必須というわけではありません。普段寒いときに着ているような防寒着で問題ないです。

ただし、キャンプの場合は長時間外で過ごすことが多いので、想像以上に体が冷えることに注意しましょう。もう一点注意したいのは、ダウンジャケットやフリースの着用についてです。ダウンジャケットやフリースは防寒には効果的ですが、焚き火などの火の粉にはかなり弱いので十分に注意しましょう。特にフリースは火がつくと燃え上がる可能性があり、できれば難燃性のものを用意しておくほうが安全です。

それと、忘れがちですが結構重要なのは、足先の冷えです。僕がおすすめするのは、登山用の靴下と、トレッキングシューズ(登山靴)を履くことです。トリッキングシューズにもいくつか種類がありますが、ミドルカットという、くるぶし辺りまで覆うタイプのものが比較的履きやすくて暖かいのでおすすめです。一足持っておくと、キャンプのときだけでなく、タウンユースでも雪が降ったときなんかはかなり重宝しますよ。デザイン的にもタウンユースで行けそうなものもありますので。

登山靴メーカーとして有名なキャラバンの靴下です。
靴下としてはちょっと高く感じるかもしれませんが、登山用靴下としては価格の割に暖かさ等に優れると思います。

一度使ってしまうと、冬場は普段でもついつい使ってしまうくらいの暖かさですよ。
一応アマゾン等のリンクもつけておきますが、トレッキングシューズに関しては実際に履いてみて購入することをおすすめします。
試着の際は厚手の登山用の靴下を用意しておくのが良いと思います。

登山用品店や、大手のアウトドアショップに行けば、各メーカーのものが揃っていると思います。
逆にネットでしか見かけない謎ブランドの安いものは、リスクがあると思ってください。

テント内での足元の冷え対策には、ダウンシューズがいいです。厚手の登山用靴下とこれを履けば、足先の冷えはかなり軽減されると思います。履いたまま寝袋に入っちゃうのも暖かいですよ。

寝袋に入って寝るときも、薄いパジャマではなく、フリースなどの暖かい服装が必要です。靴下の着用や、本当に寒いときは、ダウンジャケットやダウンパンツを着たまま寝袋に入るのもかなり効果があります。

ブランケット

薄手のものでも良いので、一人一枚用意できればだいぶ快適になります。

昼間はひざ掛けなど、夜はマットに敷いたり寝袋の上に掛けたりすることもできます。

これは好みのものを使えば良いと思います。

アウトドア用として、ダウンのブランケットが販売されていたりしますが、これは実際に使ってみると、軽くて滑りやすい素材のため、ひざ掛け等にはむしろ使いにくかったです。

また、焚き火等の近くで使う場合は、燃えやすい化繊のものには注意したほうが良いと思います。

暖房

これまでは、以下に寒さを抑えるかに着目した方法を紹介してきましたが、ここから暖房を使ってテント内や体を暖めるほうほうについて紹介していきます。

ホットカーペット、電気毛布

暖房の手段として、僕が一番おすすめするのは、電源サイトを利用してホットカーペットを使うことです。

火を使わず空気も汚さないため比較的安全なので、朝までつけっぱなしでゆっくり寝ることができます。とにかく快適で、一度使ってしまうと寒い時期の電源無しのサイトはちょっときつくなってしまいます。

ホットカーペットのようにテント内全体を暖かくするようなパワーはありませんが、電気毛布を下に敷いて寝るのも効果的です。電気毛布は消費電力が小さいので、ポータブルバッテリーでもものによっては2拍くらい持つようです。

セラミックファンヒーター

こちらも電源サイトの使用が前提となりますが、空気を汚さず、火も使わない比較的安全な暖房です。

薪ストーブ、石油ストーブ

これらの暖房能力は強力ですが、取り扱いには注意が必要です。

まず、火が使えるテントが必要です。コットン・ポリコットン製のテントの多くは火を使えるようになっています。
逆にその他の化繊生地のものは下記の使用を認めていないものがほとんどです。

設置する場所を確保する必要があり、ファミリーで過ごすなら基本的には大型テントで使うことになります。
逆に、ファミリーで火気が使えるような大型テントは、このくらい強力な暖房を使わないと寒くなりやすいテントでもあります。

薪ストーブは、(夜でも)薪を絶やさないようにする必要があり、石油ストーブは十分な換気が必要です。薪ストーブも隙間から一酸化炭素は漏れてきますので、密閉空間では使えません。

取り扱いが難しく、他の手段と比べると危険性も少し高いので、小さなお子さんがいるファミリーや、キャンプになれていない人にはおすすめしません。

逆にうまく使いこなすことができれば(そのような人はこの記事なんか読んでいないのではないかな。。。)かなり快適な居住空間を作ることができます。
僕は自分では使わず、知り合いのテントに招かれたことがある立場です。自分で手間をかけないで済む分には大型ワンポールテント+薪ストーブの組み合わせは、僕が考えるキャンプの次元を超えていますよ。

火気を使う場合は、一酸化炭素中毒に最大限の注意が必要です。一酸化炭素センサーは必須ですので、テント内で火気を用いる場合は必ず用意しましょう。

湯たんぽ

暖房機器を使わない(使えない)場合は、湯たんぽもいいです。

キャンプで使う場合は、金属製かゴム製のものが使いやすいです。

金属製のものは、直接火にかけて暖めることができるものもあります。大きなやかんを持っていくことがあまりないキャンプでは、メリットになります。

ゴム製のものは、未使用時に畳むことができたり、使用時も柔らかいので寝袋の中に入れてもじゃまになりにくい等のメリットがあります。

湯たんぽの種類とおすすめのタイプについては、以下の記事で詳しく説明しています。

湯たんぽの選び方・使い方と使用シーン別のおすすめ紹介
近年、価格も下がり、人気が再燃してきている湯たんぽですが、今はいろいろな素材・タイプの物があり、どれを選べばよいのか迷ったりしていないでしょうか? 実用性を優先する場合、僕がおすすめするのは、自宅で使用するなら樹脂製(プラスチックタイ...

カイロ

気軽に使えて便利なのが、カイロの利用です。

カイロには、燃料を入れて使うハクキンカイロ、使い捨てカイロ、充電式カイロ等がありますが、キャンプで使う場合のおすすめは使い捨てカイロです。服に貼り付けたり靴に入れて使えるものを併用することをおすすめします。

寒いときに体を暖めるには、基本的に複数のカイロを使うことを考えましょう。1つだけでは、こ色の周辺こそ暖かくて気持ちいいですが、体を暖めるにはちょっと力不足の感があります。

まとめ

キャンプで有効な防寒対策について紹介してきました。

色々な対策法を紹介していますが、もちろんすべてが必要というわけではありません。
例えば、ホットカーペットを使うことができれば、他の対策はかなり軽減しても問題なく過ごすことができます。むしろ冬用の寝袋だと暑かったりします。

それではどこを優先すべきなのでしょうか?

僕の主観になりますが、以下の順の優先度で考えてみるのが良いように思います。

  1. テント内に敷くマット・パッド
  2. 寝袋
  3. (靴下や登山靴等、普段着以上の)服装
  4. 暖房
  5. その他

やはり、基本は暖房無しでも過ごせる備えをしておくことではないかと思います。
暖房機器は快適に過ごすには欠かせませんが、万が一使えなくなってしまうことがないとも限りませんからね。

 

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